神経ブロックによる痛みの治療
神経ブロックとは、麻酔を用いて痛みを緩和させる治療法です。
神経ブロックには主に
- 星状神経節（せいじょうしんけいせつ）ブロック
- 硬膜外ブロック
- トリガーポイント注射
- 近赤外線照射
4つの種類があり、痛みの症状によってこれらを選択します。
星状神経節（せいじょうしんけいせつ）ブロック
痛みの原因となる神経線維の末梢神経や交感神経節に対し、局所麻酔薬を浸透させることで、神経そのものの機能を一時的に麻痺させ、交感神経を抑制し痛みの伝達をブロックします。
交感神経節ブロックとも呼ばれます。神経痛だけでなく顔面神経麻痺･突発性難聴･多汗症の治療などにも用いられます。
星状神経節は首の付け根付近にあり、ここには頭・顔・首・腕・胸・心臓・気管支・肺などを支配している交感神経が集まっているため施術の応用範囲が広く、神経ブロック療法の中では最もポピュラーな方法です。
硬膜外ブロック
硬膜外ブロックは、麻酔薬を硬膜外空間に注射することで神経の伝達を一時的に遮断し、痛みを和らげる治療法です。
硬膜外空間とは、脊椎の周囲にある神経の通り道で、この空間に麻酔薬を注射することで、脊髄神経の痛み伝達をブロックします。
この治療法は、腰痛、坐骨神経痛、ヘルニア、骨折、手術など、様々な痛みに対して行われます。
硬膜外ブロックは、以下の手順で行われます。
- 患者さんは、横向きやうつぶせになり、脊椎の位置を確認します。
- 医師は、脊椎の周囲を消毒し、局所麻酔を行います。
- 医師は、針を脊椎の硬膜外空間に挿入し、麻酔薬を注射します。
- 注射後、患者さんはしばらく横になり、痛みの状態を確認します。
硬膜外ブロックの効果は、患者さんの症状や体の状態によって異なりますが、通常、数時間から数日で痛みが和らぎます。
硬膜外ブロックは、比較的安全な治療法ですので、質問などありましたら南多摩クリニックの専門医に相談してみてください。
トリガーポイント注射
トリガーポイント注射は、筋肉のトリガーポイント（痛点）に麻酔薬や抗炎症薬を直接注射する治療法です。
一般的な麻酔注射のイメージです。
トリガーポイントとは、筋肉の緊張や過度の使用、ストレス、外傷などによって硬くなった筋肉の部分で、この部分を押すと痛みを感じる場所です。トリガーポイントは、しばしば筋肉の緊張、硬直、痛みの原因となります。
トリガーポイント注射は、以下のような手順で行われます。
- 医師は、トリガーポイントの位置を確認します。
- 医師は、トリガーポイントに針を刺し、麻酔薬や抗炎症薬を注射します。
- 注射後、医師は、トリガーポイントをマッサージしたり、ストレッチしたりします。
トリガーポイント注射の効果は、患者さんの症状や体の状態によって異なりますが、通常、数時間から数日で痛みが和らぎ、筋肉の緊張や硬直が解消されます。
トリガーポイント注射は、以下のような人におすすめです。
- 筋肉の緊張や硬直、痛みが強い人
- マッサージやストレッチ、運動療法などの保存的治療に効果がない人
- 痛みが特定の部位に集中している人
トリガーポイント注射は、比較的安全な治療法です。
トリガーポイント注射は、患者さんの症状や体の状態によって異なりますので、質問などありましたら南多摩クリニックの専門医に相談してみてください。
近赤外線照射
高出力の近赤外線を皮膚を通して星状神経節に照射する方法です。麻酔を使う方法より効果は穏やかですが、注射や切開の必要がないため副作用や痛みが無く、負担が極めて軽い方法と言えます。
近赤外線照射は、近赤外線（波長800-2500ナノメートル）を体の特定の部位に照射し、細胞の代謝を促進することで、筋肉の緊張や痛みを和らげる治療法です。
近赤外線は、皮膚の深部に浸透し、細胞のミトコンドリアを刺激し、細胞のエネルギー生成を促進します。これにより、筋肉の緊張や痛みが和らぎ、血流が改善し、細胞の再生が促進されます。
近赤外線照射は、以下のような手順で行われます。
- 患者さんは、患部を露出し、近赤外線装置の前に座ったり、寝たりします。
- 治療者は、近赤外線装置を患部に向け、一定時間（通常、10-20分）照射します。
近赤外線照射の効果は、患者さんの症状や体の状態によって異なりますが、通常、数回の治療で筋肉の緊張や痛みが和らぎます。
近赤外線照射は、以下のような人におすすめです。
- 筋肉の緊張や硬直、痛みが強い人
- 冷え性、血行不良の人
- 肌のトラブル（傷、やけど、皮膚疾患）がある人
- ストレスや疲労が溜まっている人
近赤外線照射は、比較的安全な治療法です。
患者さんの症状や体の状態によって異なりますので、質問などありましたら南多摩クリニックの専門医に相談してみてください。
一言で「注射」と言われると、痛いからいやだ、とおっしゃる患者さんもおられますが、皆さんがご記憶のある20年から40年前の記憶からは、
注射の痛みを緩和する技術も向上しております。
ですので、少し怖いなーと思われた方でも、一回お試しください。
これで日常生活の痛みが減ると、それこそ運動ができたり、体も心も軽くなると思います。
