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リウマチの治療

リウマチの治療一般的にリウマチとは関節リウマチのことを指す場合が多く、関節の内側にある滑膜と言われる部分が炎症を起こして、関節痛や関節の変形などをおこす疾患です。原因ははっきりとわかっていませんが、自己免疫疾患の一つとされています。

 

関節リウマチを少し詳しく見てみましょう。

関節リウマチ、またはリウマチ性関節炎は、免疫系の異常によって関節の膜(関節包)に炎症が生じ、関節が腫れ、痛み、硬直を感じる慢性的な病気です。

関節リウマチの初期症状として、朝に手を握ることが困難になったりする「こわばり」の症状がでてきます。昼頃には症状が改善していることが多くありますが、これが長く続くようになると、関節痛が起こるようになり、症状が進行していきます。さらに症状が進むと関節の変形等を起こすことがあります。

通常、免疫系は体を外部からの感染などに対して守りますが、関節リウマチの場合、免疫系が異常に活性化され、自分の体を攻撃するようになります。その結果、関節の膜に炎症が起こり、関節が腫れ、痛み、硬直を感じるようになります。

関節リウマチは、特に手や足の関節に影響を与えることが多いですが、他の関節にも影響を与えることがあります。

関節リウマチの原因は、遺伝的な要因や感染、ストレス、喫煙などが関連していると考えられていますが、完全には解明されていません。

関節リウマチの症状は、以下の通りです。

  1. 痛み: 関節が痛む。
  2. 腫れ: 関節が腫れる。
  3. 硬直: 関節が硬直し、動かしにくくなる。特に朝、起きた時に硬直が強くなることが多いです。
  4. 疲労感: 慢性的な疲労感を感じる。
  5. 発熱: 微熱を感じる。

 

では、関節リウマチ以外にどんなリウマチがあるか見てみましょう。

リウマチは、広い意味での炎症性の関節疾患を指し、関節リウマチ(リウマトイドアリュウマチ)の他にもいくつかの異なるタイプがあります。

変形性関節症(オステオアリュウマチ): 老化や過度の使用によって関節の軟骨が損傷し、痛みや関節の変形を引き起こす疾患。変形性関節症(Osteoarthritis, OA)はは、関節の骨の端を覆い、骨と骨の摩擦を減らすクッションの役割を果たします。軟骨が損傷すると、骨と骨が直接接触し、摩擦や衝撃が生じ、痛みや関節の変形、動きづらさを引き起こします。

痛風: 体内の尿酸の過剰な蓄積によって関節に結晶が堆積し、痛みや腫れを引き起こす疾患。

痛風は、血液中の尿酸の過剰な蓄積によって関節に結晶が堆積し、炎症、痛み、腫れを引き起こす関節炎の一種です。尿酸は、体内の細胞が分解される際に生成され、通常は尿として排出されますが、尿酸が過剰に生成されるか、または排出が不十分な場合、尿酸が血液中に蓄積されます。

尿酸の結晶は、特に涼しい部位に堆積しやすいため、痛風は最も涼しい部位である足の親指の関節に最初に発症することが一般的です。ただし、他の関節、腱、その他の組織にも影響を及ぼすことがあります。

痛風の発作は、非常に痛みが強く、通常夜間に発生することが多いです。痛風の発作は数日から数週間で治まることが一般的ですが、再発する可能性があります。

痛風のリスクファクターには、男性、遺伝、高尿酸血症、高血圧、糖尿病、肥満、高脂血症、過度なアルコール摂取、特定の薬物(利尿薬、アスピリンなど)、過度のプリンの摂取(内臓、魚、豆類など)があります。

システミックループスエリゼマトーサス(SLE): 自身の組織に対して免疫系が攻撃を始め、関節だけでなく皮膚、腎臓、心臓など多くの臓器に影響を及ぼす疾患。

   システミックループスエリゼマトータス(SLE)は、自己免疫疾患の一つで、体の免疫システムが誤って自身の組織を攻撃し、炎症を引き起こす病気です。SLEは、通常「ループス」として知られています。ループスは、全身に影響を与える可能性がありますが、特に皮膚、関節、内臓、神経系、血管に影響を及ぼすことが一般的です。

ループスの症状は、患者ごとに異なり、時折悪化(フレア)したり、改善したりすることが一般的です。一般的な症状には、疲労、関節痛、発疹、発熱、腫れ、頭痛、口内炎、脱毛、肺炎、腎臓病、抑うつ、記憶障害などがあります。

ループスの原因は不明ですが、遺伝、環境、ホルモン、感染症などが関連していると考えられています。

ループスの診断は、症状、身体検査、血液検査、尿検査、皮膚生検、腎臓生検などに基づきます。

ループスの治療は、症状の管理、炎症の抑制、内臓損傷の予防が目的です。治療には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗マラリア薬、ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤などが用いられます。

  プソリアーシス性関節炎: 皮膚疾患である乾癬(プソリアーシス)と関連した関節炎の一種です。乾癬は、皮膚の赤く、かゆい、鱗屑状の発疹を引き起こします。一部の乾癬患者(約10-30%)は、関節の痛み、腫れ、硬直を発症し、プソリアーシス性関節炎と診断されることがあります。

プソリアーシス性関節炎は、関節だけでなく、腱、脊椎、眼、皮膚、爪にも影響を与えることがあります。

プソリアーシス性関節炎の原因は不明ですが、遺伝、免疫システムの異常、環境要因が関連していると考えられています。

プソリアーシス性関節炎の症状には、関節痛、腫れ、硬直、皮膚の赤み、かゆみ、鱗屑状の発疹、爪の変形、腱炎、眼症状(赤み、痛み、充血)、脊椎痛、朝の硬直、全身倦怠感などがあります。

プソリアーシス性関節炎の診断は、症状、身体検査、血液検査、画像検査(X線、MRI)、皮膚生検などに基づきます。

プソリアーシス性関節炎の治療は、関節症状、皮膚症状、関連疾患(心血管疾患、メタボリックシンドロームなど)の管理が目的です。治療には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗リウマチ薬(DMARDs)、生物学的製剤、免疫抑制薬、ステロイドなどが用いられます。

 反応性関節炎: 感染症に反応して関節に炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こす疾患。

反応性関節炎は、感染症(特に腸管や尿道の感染)に続いて発症する関節炎の一種です。通常、感染症の1-4週間後に、突然関節の痛み、腫れ、発赤が現れます。

反応性関節炎は、過去に「Reiter症候群」として知られていました。Reiter症候群は、関節炎、尿道炎、結膜炎の三徴から成る病態でしたが、現在では、反応性関節炎という名前が一般的に使われています。

反応性関節炎は、主に20-40歳の男性に多いですが、女性や子供でも発症することがあります。

反応性関節炎の原因は不明ですが、遺伝的要因、免疫システムの異常、感染症(特に、カンピロバクター、サルモネラ、シギェラ、クラミジアなど)が関連していると考えられています。

反応性関節炎の症状には、関節痛、腫れ、発赤、硬直、尿道炎(排尿痛、頻尿、分泌物)、結膜炎(眼の赤み、充血、痛み)、口内炎、皮膚疾患(角化症、爪変形)、腱炎、腰痛、全身倦怠感などがあります。

反応性関節炎の診断は、症状、身体検査、血液検査、関節液検査、尿検査、排便検査、画像検査(X線、MRI)などに基づきます。

反応性関節炎の治療は、症状の管理、感染症の治療、合併症の予防が目的です。治療には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗菌薬、ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤などが用いられます。

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診断・治療

血液検査やレントゲン・CT等による画像検査にて、リウマチの診断をします。治療は抗リウマチ薬による投薬治療が一般的になっています。場合によっては、注射による治療や手術による治療を行うことがあります。

抗リウマチ薬について、代表的な薬を上げてみます。

抗リウマチ薬は、リウマチの症状を抑え、関節の破壊を防ぐための薬です。以下は、一般的な抗リウマチ薬のカテゴリーです。

  1. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): イブプロフェンやナプロキセンなどの薬が含まれます。これらの薬は、痛みと炎症を抑える作用があります。

  2. ステロイド薬: プレドニゾロンやメチルプレドニゾロンなどの薬が含まれます。これらの薬は、強力な抗炎症作用があります。

  3. ディセアス・モディファイング・アンチリウマチック・ドラッグス(DMARDs): メトトレキサートやヒドロキシクロロキンなどの薬が含まれます。これらの薬は、リウマチの進行を遅らせる作用があります。

  4. バイオロジックス: エタネルセプトやアダリムマブなどの薬が含まれます。これらの薬は、免疫系の活動を抑制し、関節の炎症と破壊を防ぐ作用があります。

 

現在のところ、関節リウマチは、根治は難しいものの、症状の進行を遅らせたり、痛みを和らげたりすることができます。

早めの診断・治療が重要ですので、こわばりの症状等がありましたら、先ずは当院にご相談ください。

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