熱が出た。すぐ病院へ行くべき?様子を見てもいい?
「38度の熱が出た。すぐ病院へ行ったほうがいいのか、それとも一晩様子を見るべきか」。判断に迷ったまま時間だけが過ぎてしまう、よくある場面です。
結論から言うと、熱の高さだけでは判断できません。大事なのは熱以外に何が起きているかです。
すぐ受診すべきサイン
次のいずれかに当てはまる場合は、熱の高さにかかわらず早めに受診してください。
- 呼吸が苦しい、息が浅く速い
- 水分がとれない、尿が半日以上出ていない
- ぐったりして受け答えが鈍い、いつもと明らかに様子が違う
- 強い頭痛と首の硬さがある
- けいれんを起こした
- 胸の痛み、意識がもうろうとする
- 皮膚に押しても消えない赤い斑点が出た
これらは、かぜ以外の病気が隠れている可能性を示すサインです。
一晩様子を見てよい場合
逆に、次のような状態なら自宅で経過を見ても差し支えないことが多いです。
- 熱はあるが水分がとれている
- 会話ができ、受け答えがはっきりしている
- 症状がのど・鼻・咳に限られている
- 持病がなく、ふだん健康である
ただし高齢の方、妊娠中の方、持病のある方、免疫を抑える薬を使っている方は、この限りではありません。早めの受診をおすすめします。
熱の高さと重症度は比例しない
「39度もある、大変だ」と考えがちですが、発熱は体がウイルスや細菌と戦っている反応そのものです。若く元気な方ほど高い熱が出やすい傾向すらあります。
一方で、高齢の方は肺炎を起こしていても熱が37度台までしか上がらないことがあります。「熱が低いから軽い」とは言えません。
熱の数字よりも、食べられているか、水分がとれているか、動けるかを見てください。
受診のタイミングの目安
受診まで様子を見る場合
かぜの熱は通常2〜3日で下がり始めます。4日以上続く、いったん下がった熱がまた上がる場合は受診してください。細菌感染の合併や、別の病気の可能性があります。
インフルエンザが疑われる場合
急な高熱、関節の痛み、強いだるさが特徴です。抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内の開始が推奨されるため、この場合は早めの受診が有利です。
ただし発症直後は検査で陰性になることがあります。熱が出てすぐに駆け込むと、かえって判定がつきにくい場合もあります。
受診するとき準備しておくとよいこと
- いつから熱が出たか(日付と時刻)
- 最高で何度まで上がったか
- 熱以外の症状(咳・のど・鼻・下痢・発疹など)
- 周囲に同じ症状の人がいるか(家族・職場・学校)
- 飲んでいる薬、お薬手帳
- 解熱剤を使ったか、使ったなら何時に
特に解熱剤を飲んだ直後の受診は、体温が下がった状態で診察することになります。飲んだ時刻を伝えてください。
よくあるご質問
解熱剤は飲まないほうがいいのですか?
つらければ使って構いません。熱を下げること自体が治りを遅らせるという明確な根拠はありません。ただし熱が下がっても病気が治ったわけではないため、無理に動くのは避けてください。
抗生物質をもらえば早く治りますか?
かぜの原因のほとんどはウイルスで、抗生物質はウイルスには効きません。不要な使用は副作用や耐性菌の原因になります。細菌感染が疑われる場合にかぎって使用します。
汗をかいて熱を下げたほうがいい?
厚着をして無理に汗をかく必要はありません。脱水のほうが問題です。寒気があるときは温め、熱が上がりきって暑がるようになったら涼しくしてください。
何度から「発熱」ですか?
一般的には37.5度以上を発熱とすることが多いですが、平熱には個人差があります。ふだんの自分の平熱を知っておくことが役立ちます。
まとめ
受診すべきかどうかは、熱の高さではなく「水分がとれているか」「呼吸は苦しくないか」「いつもと様子が違わないか」で判断してください。
高齢の方・持病のある方・妊娠中の方は、基準を下げて早めにご相談ください。判断に迷ったときは、迷ったまま待つより一度受診していただくほうが安心です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。
※症状の強い方、判断に迷う方は自己判断せず医療機関にご相談ください。
