足首をひねった。捻挫と骨折の見分け方
段差を踏み外した、階段を降りるときにぐきっといった、スポーツ中に足首をひねった。
その場では歩けたのに、しばらくすると腫れてきて不安になる。これは捻挫なのか、それとも骨折しているのか。見分けるためのポイントを整理します。
捻挫と骨折はどう違う?
- 捻挫:関節を支えている靭帯が伸びたり、部分的に切れたりした状態です。足首では外くるぶしの前下にある靭帯を傷めることが最も多くなります。
- 骨折:骨そのものが折れた状態です。ひびが入っただけのものも骨折に含まれます。
同じ「ひねった」という動作で、どちらも起こります。見た目や痛みだけでは区別がつかないことも珍しくありません。
捻挫の特徴
- 痛み:ひねった瞬間は強く痛むが、その後は少し落ち着くことが多い。
- 腫れ:外くるぶしのまわりが腫れる。
- 内出血:数日たってから、足首から足の甲にかけて青あざが広がることがある。
- 歩行:痛みはあるが、かばいながらなら歩けることが多い。
- 押したときの痛み:くるぶしの少し前や下、骨と骨の間の柔らかい部分が痛い。
骨折の特徴
- 痛み:強い痛みが続き、時間がたっても和らがない。
- 腫れ:腫れが強く、急速に大きくなる。
- 変形:足首の形が明らかにおかしい、あらぬ方向を向いている。
- 歩行:体重をかけられない、または数歩しか歩けない。
- 押したときの痛み:くるぶしの骨そのものを押すと、鋭く痛む。
見分けるためのポイント
1. 体重をかけて4歩あるけるか
ひねった直後と、今の時点の両方で、けがをした足に体重をかけて4歩歩けるかを確認します。どちらでも歩けない場合は、骨折の可能性が高くなります。
2. 痛むのは「骨」か「柔らかい部分」か
指で押して、どこが一番痛いかを確かめます。
- 外くるぶし・内くるぶしの骨のでっぱりそのもの、特に後ろ側のふちを押して鋭く痛む
- 足の甲の外側にある出っぱった骨(小指側の付け根あたり)が痛む
- 土踏まずの上あたりの骨が痛む
これらにあてはまる場合は、骨折やはく離骨折が疑われます。靭帯を傷めただけなら、痛むのは骨ではなく骨と骨の間の柔らかい部分です。
3. 見た目の変形があるか
足首が不自然な方向を向いている、左右で明らかに形が違う場合は、その場で動かさず救急要請を検討してください。
なお、これらはあくまで目安です。ひびだけの骨折は、腫れも痛みも捻挫と変わらないことがあります。最終的にはレントゲン検査でなければ判断できません。
医療機関を受診すべき状況
- 体重をかけて歩けない、または数歩しか歩けない
- くるぶしの骨を押すと鋭く痛む
- 足首の形が明らかに変形している
- 腫れが強く、急速に広がっている
- 足先がしびれる、色が白い・紫っぽい
- 3日ほどたっても痛みや腫れがまったく引かない
- お子さまがけがをした場合
- 骨粗しょう症を指摘されたことがある方
とくに成長期のお子さまは、靭帯よりも骨の成長線(骨端線)のほうが弱く、捻挫に見えて実は骨端線を傷めていることがあります。レントゲンでも写りにくいことがあるため、自己判断は避けてください。
足首の捻挫、冷やすのと温めるのはどっち?
ひねった直後から2〜3日は冷やします。保冷剤をタオルで包み、1回15分程度を目安に当ててください。長時間当て続けると凍傷の危険があるため、間隔をあけます。
腫れと強い痛みが落ち着いてきたら、今度は温めて血流をうながすほうが回復に向きます。入浴で温める、軽く動かすといった対応に切り替えていきます。
お風呂については、受傷直後の腫れが強い時期は湯船につかると腫れが強まることがあるため、シャワー程度にとどめるのが無難です。
捻挫はクセになるって本当?
本当です。ただし「体質」ではなく、治し方の問題です。
伸びたり切れたりした靭帯がゆるんだまま治ってしまうと、足首がぐらつきやすい状態が残ります。これを足関節不安定症といい、ちょっとした段差でも再びひねるようになります。
「歩けるから大丈夫」と放置した捻挫ほど、この状態になりやすくなります。防ぐには次の2つが大切です。
- 急性期に適切に固定して、靭帯が伸びた状態で治らないようにする
- 痛みが引いたあと、バランス感覚と筋力を回復させるリハビリを行う
くり返し捻挫している方は、一度きちんと足首の状態を評価することをおすすめします。
何日くらいで治りますか?
靭帯の傷み具合によって大きく変わります。
- 軽度(靭帯が伸びた程度):1〜2週間
- 中等度(靭帯が部分的に切れた):3〜6週間
- 重度(靭帯が完全に切れた):2〜3か月
骨折をともなう場合は、さらに期間がかかります。スポーツへの復帰時期は、痛みの有無だけでなく、ぐらつきが残っていないかを確認してから判断します。
当院での診療
南多摩クリニックでは、問診と触診に加えてレントゲン検査を行い、骨折の有無を確認したうえで治療方針をご提案しています。
- レントゲン検査 — 骨折・はく離骨折の有無を確認します
- 固定 — 状態に応じて、テーピング・装具・ギプスなどを使い分けます
- 投薬・外用薬 — 炎症と痛みを抑える内服薬や湿布を処方します
- リハビリテーション — 理学療法士が、可動域の回復・筋力・バランス訓練を行い、再発しにくい足首を目指します
くわしくは捻挫・外傷・創傷・擦過傷・骨折の治療についてをご覧ください。ひざや足の症状全般についてはひざ・足の症状(痛み・しびれ・違和感)もあわせてどうぞ。
指をけがされた方は突き指と骨折の見分け方、骨折全般については骨折の見分け方はありますか?も参考になります。
まとめ
足首をひねったとき、捻挫と骨折を確実に見分ける方法はありません。
ただし「体重をかけて4歩歩けない」「くるぶしの骨そのものを押すと鋭く痛む」のどちらかにあてはまる場合は、骨折の可能性を考えて受診してください。
そして、歩けたとしても捻挫を軽く見ないことが大切です。適切に治しておかないと、くり返しひねる足首になってしまいます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。
※症状の経過には個人差があります。気になる症状がある場合は医療機関を受診してください。
