骨と血管によい食べ物とは?栄養素から考える
「骨によい食べ物は何ですか」「血液をサラサラにするには何を食べればいいですか」。診察室でよくいただくご質問です。
特定の食品だけで健康になれるわけではありませんが、骨と血管を守るという観点で、意識して取り入れたい食品にはいくつかの共通点があります。
骨を守るために必要な3つの栄養素
骨は一度つくられたら終わりではなく、壊されては作り直されることを繰り返しています。この材料が足りないと、骨はもろくなっていきます。
1. カルシウム
骨の主材料です。日本人は慢性的に不足しがちな栄養素といわれています。
- 乳製品 … 牛乳、ヨーグルト、チーズ。吸収率が高いのが利点です
- 小魚 … いわし、しらす、ししゃもなど。骨ごと食べられるものが効率的です
- 大豆製品 … 豆腐、納豆、豆乳。乳製品が苦手な方の選択肢になります
- 海藻・野菜 … ひじき、切り干し大根、小松菜
2. ビタミンD
カルシウムを腸から吸収するために欠かせません。どれだけカルシウムをとっても、ビタミンDが足りないと吸収されにくくなります。
- 鮭、さば、いわしなどの魚
- きのこ類(特に干ししいたけ)
- 日光を浴びることでも体内でつくられます
屋内で過ごす時間が長い方は不足しやすいため、食事からの摂取がより重要になります。
3. ビタミンK
カルシウムを骨に定着させる働きがあります。納豆は特に豊富で、ほかに小松菜やほうれん草などの葉物野菜に多く含まれます。
ただし、血液を固まりにくくする薬(ワルファリン)を服用中の方は、納豆や青汁を控える必要があります。該当する方は必ず主治医にご確認ください。
血管を守るために意識したい食品
青魚の脂(EPA・DHA)
いわし、さば、さんま、鮭などに多く含まれます。中性脂肪を下げ、血液が固まりにくくなる方向に働くことが知られています。
缶詰でも構いません。忙しい方には、さば缶やいわし缶が現実的な選択肢です。
食物繊維
コレステロールの吸収を抑え、血糖値の急な上昇もゆるやかにします。
- 海藻類(寒天、ひじき、わかめ)
- きのこ類
- 切り干し大根、ごぼう、豆類
- 玄米、大麦
ナッツ類
くるみ、アーモンドなどには良質な脂質とビタミンEが含まれます。ただしカロリーは高いので、1日に手のひらに軽く一杯程度を目安にしてください。
「これを食べれば大丈夫」はありません
納豆を食べていれば骨粗しょう症にならない、青魚を食べていれば動脈硬化にならない、ということはありません。
大切なのは次の3点です。
- 偏らないこと … 同じものを大量に食べるより、いろいろな食品を少しずつ
- 続けられること … 高価な食品や手間のかかる調理は続きません
- 運動と組み合わせること … 骨は負荷がかかることで強くなります。食事だけでは骨は育ちません
食事だけでは追いつかない場合もあります
すでに骨密度が低下している、コレステロールや中性脂肪の数値が高いと指摘されている——このような場合は、食事の見直しだけでは追いつかないことがあります。
現在の状態を数値で確認したうえで、食事で対応できる範囲なのか、治療が必要な段階なのかを判断することが大切です。
- 骨粗しょう症(骨粗鬆症)の治療 … 骨密度検査について
- 高脂血症(脂質異常症)の治療 … コレステロール・中性脂肪について
- 生活習慣病について
- 健康診断で異常を指摘された方へ
当院ではInBody測定により、体脂肪率や筋肉量を数値で確認できます。食事や運動の効果を追いかける目安としてご活用ください。
ビタミン全般については摂取するビタミンの種類と効果、サプリメントの使い方については効果的なサプリメントの取り方とは?もあわせてご覧ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。
※持病や服用中のお薬がある方は、食事の内容について主治医にご相談ください。
